ROCKY MOUNTAIN BIKE LINE-UP試乗

RMBのWサスモデルを一気試乗

独自のシステムを積極的に採用し、上質な乗り味のバイクを製造するROCKY MOUNTAIN。MTBの黎明期から続く歴史には、レースばかりでなく、コンテストなどで優勝を飾ってきた歴史のあるプレミアムブランドといえる。現在のラインナップでは各モデルにカーボンとアルミモデルを用意し、本国では完成車のバリエーションも豊富に揃えらるなど、ユーザー目線に立ったモデル展開も行っている。

今回はカーボンモデルのSLAYER C50、ALTITUDE C50、INSTINCT C30の3台を富士見パノラマで試乗。ショートインプレとなるが、それぞれのバイクの特長や、どんな走り方・トレイルに向いているのかを中心に検証。現在輸入代理店のA&Fは、各地イベントで積極的に試乗会を行っているので気になるモデルがあればぜひ足を運んで実際に乗ってみて欲しい。

RMBのラインナップ

DHからXCまで幅広いラインナップを揃えていたが、現在のWサスラインナップストロークの長い方からフリーライドカテゴリーでリア180mmトラベルのSLAYER、エンデューロ競技向けリア160mmトラベルのALTITUDE、トレイル向けリアストローク140mmのINSTINCT、クロスカントリー向け120mmストロークのELEMENTと4種に分類されており、それぞれ熟成や改良が進められている。その他にもEバイクやクロスカントリー、トレイルモデルやパーク用のハードテイルなどラインナップしている。

3モデル共通のTECHNOLOGY

今回試乗した3台には共通の技術が採用されており、ライドクオリティーを向上させている

RIDE-4™
リアユニット装着部のチップを回転させることで、4種類のセッティングが可能。アーレンキー1本で素早く変更できる。

SMOOTHWALL™ Carbon
高度なカーボンプロセスを用い、最高水準の剛性対重量比、乗り心地、耐久性を実現。

Size Specific
サイズ別に微調整されたフレームは、どのサイズを選択しても同様の乗り味を提供する。

PenaltyBox™

ダウンチューブにストレージ収納ボックスを備えており、ツールやポンプ、チューブなどを収納できる。

SLAYER Carbon 50

¥886,600(COMPLETE)、\568,700(Frame)

一昨年デビューしたSLAYERは、RIDE4モジュールを備え、フリーライドからダウンヒルも考慮されたパークモデルとして話題となったモデルだ。ヘッド周りは非常に高剛性に設計されており、ダブルクラウンフォークの装着も可能となっており、DHコースやレースへの参戦も考慮されている。

実際に乗ってみると、明らかに他の2台より重厚感と安定感があり、ザ・フリーライドバイクという乗り味。もちろんかつての同類モデルよりも軽快に走り、持ち上げると重さを感じるが、ライド中に重さを感じることはなく、富士見パノラマのコースでも余裕のある走行ができ、このバイクであれば、国内の下り系コースはすべてこなすことができるはずだ。バイクの乗り味としては普段乗り慣れているDHバイクのような乗り味だが軽快な部分も多く、トレイルの上りも頑張らなければそれなりに登ることができる。自分がこのバイクを手に入れたら、ぜひダブルクラウン化して乗ってみたいと思った。

ふじてんのコース監修を行っている高橋大喜さんのバイク紹介を以前に行っているので、そちらも参考にして欲しい。
「高橋大喜のROCKY MOUNTAIN SLAYER」

ALTITUDE Carbon 50

\877,800(COMPLETE)、\558,800(Frame)

今年リリースされたエンデューロモデルで、一番進化したバイクといえる。アルミモデルに比べても軽量で、とてつもないポテンシャルを感じた。どこを走っても速く、まさにレースのために生み出されたバイクといって間違いはない。以前であれば、DHは前後200mmストロークが標準で、ダブルクラウンに…というのが下り系バイクの標準だったが、現在ではこのくらいのモデルが一番気持ちよく走れるのではないかと思えるくらい快適で、爽快感を味わいながら走行することができた。

前モデルと大きくデザイン変更されたフレームは、リアサスのユニットやリンク部分は低く、バイクの中心に配置したことで低重心かつ前後の重量バランスの向上に寄与しており、意のままにバイクを振り回すことができる。ぶっちゃけ今回乗った3台の中でも自分が購入するならこのモデル! 荒れた路面や岩、木の根など全く気にすることなく突っ込め、1台でどんな走り方もできる万能な性能で、トレイルの下りでも勝手にスピードレンジが上がっていく。このバイクなら、そのままエンデューロ競技にエントリーできるし、海外のハードなパークでも存分に楽しむことができる。

アルミ仕様に関してはENSのコースでも試乗しているので、そちらも参考にしてもらいたいが、アルミモデルも相応の性能がある。
「ROCKY MOUNTAIN ALTITUDE A30」

INSTINCT Carbon 30

\574,200(COMPLETE)

富士見パノラマのコースではハイスピードで斜度も急なのでストロークの不足が否めなく、このバイクの主戦場は下り主体のDHパークではないのは当たり前。富士見パノラマでやや攻めたペースで試乗したのが間違いと思い直し、ちょっとペースを落とすことで余裕をもって楽しみながら走行することができ、メーカーの設計意図である上り下りのあるトレイルやパークでは性能を存分に発揮することができた。
全体的な剛性は高く、ペダリングの軽さ、ハンドリング性能も十分で、ライド中のリアタイヤの位置も掴みやすいので、トレイルでの乗りやすさや取り回しは秀逸といえる。いつものトレイルで走行するにもRIDE-4システム等のジオメトリーアジャストを活用し、ベストなセッティングを追求するのも楽しみ方の1つといえる。1台でいろいろ乗り味を確かめながらライドすることもでき、よりバイクへの理解度を深めることができる。
最も適したフィールドは里山やトレイル、長距離のマラソンライドなどで、トレイルでの自走が中心のライダーに最も適している。何本ものトレイルを繋いで一日中走るようなマラソンライドにも最適で、上質なトレイルライドを楽しみたいライダーにオススメしたい。

SPEC

SLAYER CARBON 50ALTITUDE CARBON 50INSTINCT CARBON 30
FRAME MATERIALSMOOTHWALL™ CarbonSMOOTHWALL™ CarbonSMOOTHWALL™ Carbon
SIZESMMM
REAR SHOCKFox DHX2 PerformanceFox Float X PerformanceFox Float DPS Performance
REAR TRAVEL180mm160mm140mm
FORKFox 38 Float PerformanceFox 38 Float PerformanceMarzocchi Z2 Float
FORK TRAVEL180mm170mm150mm
CRANKARMSRace Face Aeffect 170mmRace Face Aeffect 170mmShimano Deore 170mm
CHAINRINGS32T32T32T
B/BShimano SM-BBMT500Shimano Threaded BBMT501-BShimano SM-BBMT500
PEDALS
CHAINShimano M7100Shimano M7100Shimano M6100
FREEWHEELShimano SLX 10-51TShimano SLX 10-51TShimano Deore 10-51T
CHAINGUIDE2-Bolt ISCG05 Tabs2-Bolt ISCG05 Tabs2-Bolt ISCG05 Tabs
FRONT D
REAR DShimano SLXShimano XTShimano Deore 12S
SHIFTERSShimano SLX 12SShimano SLXShimano Deore 12S
BRAKE CALIPERSShimano SLX Trail 4 PistonShimano XT Trail 4 PistonShimano MT4120 4 Piston
FRONT BRAKE ROTOR 203mm203mm203mm
REAR BRAKE ROTOR 203mm203mm180mm
BRAKE LEVERSShimano SLXShimano XTShimano Deore
HEADSETFSA Orbit NO.57EFSA Orbit NO.85 Reach AdjustFSA Orbit NO.85 Reach Adjust
HANDLEBARRMB AM,780mm Width,38mm Rise,9° Backsweep,5° UpsweepRMB AM,780mm Width,38mm Rise,9° Backsweep,5° UpsweepRMB AM,780mm Width,25mm Rise,9° Backsweep,5° Upsweep
STEMRMB 35 AM,5° Rise,40mmRMB 35 AM,5° Rise,40mmRMB 31.8 AM,5° Rise,40mm
SEATPOSTRace Face Aeffect R Dropper 30.9mm 150mmX Fusion Manic Alloy 30.9mm 170mmX Fusion Manic Composite 30.9mm 170mm
GRIPSODI Elite Pro Lock OnODI Elite Pro Lock OnRMB Lock On Light
SADDLEWTB Volt Race 142WTB Volt Race 142WTB Volt Race 142
FRONT HUBRMB 15mmRMB SL 15mmShimano TC500 15×110 28H
REAR HUBDT Swiss 370 148mmDT Swiss 370 148mmShimano TC500 148 28H
SPOKESDT Swiss Champion 2.0DT Swiss Competition 2.0/1.8/2.02.0 Stainless
RIMSWTB ST i30 TCS 2.0 Tubeless 32HWTB ST Light i30 TCS 2.0 Tubeless 32TWTB ST i30 TCS 2.0 Tubeless 28H
FRONT TIREMaxxis Assegai 2.5 WT 3C MaxxGripMaxxis Assegai 2.5 WT 3C MaxxGripMaxxis Dissector 2.4 WT EXO
REAR TIREMaxxis Minion DHR II 2.4 WT 3C MaxxTerraMaxxis Minion DHR II 2.4 WT 3C MaxxTerraMaxxis Dissector 2.4 WT EXO
PAINT COLORGREY / BLACKGREEN / GREENGREY / BEIGE
WEIGHT15.6kg14.57kg
※スペック、価格は2024年モデル

GEOMETRY

SIZESLAYERALTITUDEINSTINCT
ST LENGTH385420445
TT LENGTH568/566/566593/591/591618/617/617
REACH424/429/432449/454/457474/479/432
STACK613/609/608622/618/617631/627/626
STANDOVER811/814/815810/813/814807/810/815
HT ANGLE64.9/65.4/65.664.9/65.4/65.664.9/65.4/65.6
HT LENGTH100110120
EFFECTIVE ST ANGLE76.8/77.3/77.577/77.5/77.777.1/77.6/77.5
CS LENGTH441/440/440441/440/440441/440/440
BB DROP46/40/3646/40/3646/40/36
WHEELBASE1179/1178/11781208/1207/12071237/1237/1237
※すべてMサイズ

SLAYER Carbon 50

下り系のパークでは絶対的な安心感。ゲレンデシーズン中はダブルクラウン、トレイルシーズンはシングルクラウンと幅広く使える。カナダ系ブランドが最も得意とするリアルフリーライドバイク。

下りの安定性
コギの軽さ
剛性
価格

こんな人に

夏にゲレンデ中心で遊ぶライダーにオススメで、ハードなトレイルも全く気にすることなく走行できる。エンデューロ競技にはオーバーストローク。ゆっくり登れば下りは楽しめる

3.8

ALTITUDE Carbon 50

スピード域が高くても全く気にならない剛性感と底なしのストローク感で、どんなコースにも対応する。2024年に自分が乗った中でベストともいえるモデル。残念ながら形状が好みではないが、所有するバイクを制限されるのであれば選択肢の上位に入る

下りの安定性
コギの軽さ
剛性
価格

こんな人に

エンデューロ競技には最適! そのために開発されてたモデルなので当たり前といえるが、非常に高い戦闘力とポテンシャルを持っており、ストレスのない走行が可能。登坂はそれなりに、下りでぶっ飛ばしたいというライダーにオススメ

4.3

INSTINCT Carbon 30

上記2台と同じグラビティー系フィールドでは不安があるが、軽快でカッチリとした乗り味は好感触。中速域でトレイルを楽しみながらライドするには最適。

下りの安定性
コギの軽さ
剛性
価格

こんな人に

自走での里山やトレイル走行が多く、マラソンレースなども視野に入れたライダーにオススメ。

3.8

問:エイアンドエフ

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