ENS#3 白馬岩岳で見つけた注目アイテム

僅差となったレース展開

快晴のなか開催されたENS第3戦。
レースはディフェンディングチャンピオンの幾田優雅(輪娯館/vittoria)と全日本選手権のDHを怪我により欠場した土屋聖眞(カトーサイクル)が接戦を繰り広げた。第1ステージで0.2秒差で制した土屋選手だったが、超ロングステージの第2ステージでは幾田選手ゴール直前での転倒というアクシデントもあったがトップをマーク。第3ステージでは土屋選手がトップタイムを出すが、ロングステージのタイム差をには及ばす2位。3位には4位に8秒あまり差をつけ清水一輝(BLAZE A TRAIL)となった。

今回のENSは常設コースでも人気の高い白馬岩岳ということもあり、ブースの出展が多かったのが印象的だった。通常のENSではスタートのコールアップを受けると、ライダーは最終ステージが終了するまでベースに戻ってくることはとはないのだが、今回は全てのステージのゴールが多くのブランドブースが並ぶメイン会場となり、超ロングステージとショートステージ×2の3ステージで競われた。また、第2ステージのロングステージのゴールから最終ステージのスタート時間には余裕があったため、その合間にブースを覗くライダーも多かった。
2025年のENSではコールアップの簡略化とリアルタイムリザルトの導入が大きな変更点。今回のように僅差のレース展開では走行後にすぐタイムがわかるリアルタイムリザルトは競技者はもちろん、観戦者も楽しめた変革といえ、サービスよりも、すぐにレース結果を知りたい競技者に寄ったレース運営方式に変更されている。

10年続けているENSだが、主催・運営の内嶋亮氏は参加者はもちろん観戦者も楽しませたいと、毎回アイデアや変更点を試しながら開催しており、今後も進化していくENSに期待は大きいといえる。

今回はブース出展も多く、とくに注目を集めたブースを紹介する。

SHOEI

国内の老舗ヘルメットメーカーSHOEIは、昨年発表されたBMX、DH向けのフルフェイスヘルメット「X-GRID」の試着を開催。また、ライダーの頭部形状を測定し、最適なヘルメットサイズとサイズ調整パッドのカスタマイズによってオーダーメイドのような被り心地をの提供するパーソナルフィッティングシステムを提供。

さすがヘルメット専門のブランドならではといった接妙なフィット感と安心感は抜群といえる。手にしてみると外観からは想像できないほど軽かった。また、6サイズを展開しており、キッズから被ることができ、オプション・リペアパーツが手に入れやすいもの特長といえ、今後の展開からも目を離せないブランドといえる。

KYB

数年間の開発期間を経て、ついに開催直前に発表されたKYBのe-BIKE用のサスペンションと銘打つものの、ペダルバイクへの装着はもちろん可能。フロントは倒立の160mmストローク。20×110mmブーストのスルーアクスルを採用し、現在のDHバイクのホイールをそのまま流用できる仕様。

リアはコイル式が試乗車に装着されており、多くのライダーがレースの合間に試乗を行っていた。自分も試乗させてもらったが、スムーズな路面が中心だったので、もっと荒れた路面で試乗したいというのが正直なところ。しっとりとした質感で落ち着いた動きのイメージだったが、幅広い調整機能をもっているので、攻めたセッティングも可能といえる。

基本スペックは発表されており、発売時期、価格に関しては近日発表される。
フロントフォーク
対応ホイールサイズ:27.5インチ/29インチ
トラベル量:160mm
ステアラー:1.5インチ テーパード
アクスル:20×110mm Boost
ダンパー調整:コンプレッション/リバウンド
スプリング:コイル+調整可能なエアアシスト
フォークオフセット:43mm
アウターチューブ:41mm テーパード 7000系アルミニウム
インナーチューブ:32mm 7000系アルミニウム

リアユニット
全長:210mm
ストローク:55mm
ダンパー調整:低速・高速コンプレッション/リバウンド
スプリング:コイル、プリロード調整機構付き

SHIMANO

SHIMANOは従来同様にシューズのフィッティングのほか、6月に発表されたXTR Di2の試乗車が数台用意され、各パーツの細かい説明やセッティングの相談が可能だった。もちろん実際にショートコースの試乗をすることができ、変速スピードやブレーキの性能を試すことができた。

変速、ブレーキ、ホイール。それぞれ大きく性能を向上させたパーツ類は、現状かなりのレベルに達しているといえる。7月下旬のシマノバイカーズフェスティバルはもちろん、今後も見かけることがあればぜひ1度試乗して実感してみることをオススメしたい。

その他ブース

タイヤ試し履きサービスを行うVITTORIAやチェーン洗浄サービスのGOTALはもちろん、米国製プロテクターのG-FORM、ロッキーマウンテン、KONA、TROY LEE DESIGNSを輸入するA&F、いつも注目のアイテムを格安で提供している輪娯舘も出店しており、ENSの協賛ブランドSPECIALIZED、IRC TIREもブーステントを展開。もちろんレース参加者でなくてもサービスを受けたり展示商品の説明を受けたりすることが可能となっている。

次戦は8月下旬の野沢ステージ。すでに申し込みは開始され、コースの概要も発表されている。今年はチャンピオン争いも僅差となっているので、結果から目が離せないシーズンとなっている。

問:ENS JAPAN

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